【Bコース:四国電力(伊方ビジターズハウス及び伊方原子力発電所)】
 
1 伊方ビジターズハウス     
200インチ大型スクリーンで迫力のある3D立体映像や模型で、伊方原子力発電所内の設備の概要の説明を受けた。実物の6分の1のリアルな模型と光の演出で伊方発電所の内部が再現されており、コンピュータグラフィックを取り入れた映像で発電のしくみや原子燃料サイクルのしくみを説明していただいた。
 
 
2 伊方原子力発電所 
厳戒態勢の中、原子力発電所構内に入り、発電のしくみや耐震安全対策の取組を見学した。
(1) 発電のしくみについて
@ 中央制御室:発電所設備の監視・制御・定期的な起動点検や、現場のパトロール、放射線の監視などを5チーム2交替制行っている。
A タービン発電機:蒸気発生器から送られた蒸気でタービンと発電機を1秒間に30回転させ作られた電気は、送電線や変電所を経由し各家庭に届けられており、四国の電気の約4割は伊方発電所から送られている。
(2) 耐震安全対策の取組
@ 浸水の防止
 配管貫通部や建物入口扉等の水密性を高めるためゴムやシリコン等で防水シール加工をしている。
A 電源の確保
ア 大容量の電源車4台を配備している。
イ 隣接する変電所から配電線を敷設している。
ウ 電源の接続に必要な変圧器等を配備している。
エ 変電所の容量を増強している。
B 原子炉等の冷却
ア 冷却水を補給するための消防自動車、可搬型消防ポンプを配置している。
イ 水中ポンプを配備している。
ウ 海水ポンプモーターの予備品を配備している。
C 地震の揺れへの備え
 安全上重要な機器が、基準地震動に対し2倍程度の耐震裕度をもつよう確認・対策を進めている。
D シビアアクシデントへの備え
ア がれき撤去用重機を配備している。
イ 発電所内の通信手段を多様化している。
ウ 高線量防護服の配備をしている。
E 訓練の実施
 緊急時を想定した対応訓練に取り組んでいる。

3 見学を終えて
東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故。今も、農産物等から放射性物質が検出されたというニュースが報道され、福島の方はもちろんのこと、日本中がとまどいや不安を抱えながら事故の行方を見守る状態が続いている。今回、伊方原子力発電所を見学し説明を受けることで、安全対策に配慮していることがよく分かったが、説明を受けながらこれからの日本のエネルギーは、これまで原発が生み出していたエネルギーを他の発電による新たなエネルギーに変えるのか、エネルギーの消費量を見つめ直して、これまでよりも少ない電力で暮らすのか等、様々なことを考えさせられた。今後も原子力発電関係の情報に興味・関心をもちたいと思う。