1 研究内容
(1) 研究の方向性
・現在行っている環境にかかわる日々の取組に対して、その意義や目的を明確化し、個人レベルから組織的な取組に発展させる。
・学習や活動を通して感じたことや学んだことから、自分たちができることをより具体的に考え、実行する場を設ける。特に、「総合的な学習『MT(マイ・タイム)』」及び 「リサイクル活動の見直し」を中心にして、生徒の自主的・主体的な活動をさらに高める。
(2) 環境教育の目標
・身近な地域の環境に対する感受性、関心・意欲、心情を育てる。
・自分と地域の環境とのかかわりや環境の仕組みに対する見方・考え方を育て、環境への理解を深める。
・環境全体に対する適切な判断力、主体的にかかわる行動力・実践力を育てる。
(3) 実践内容
ア 23年度・総合的な学習の時間(MT)の取組
・第1学年 (川の汚染状況、近辺の川に生息する動物の生態調査)
・第2学年 (リサイクルの協力を求めるためのチラシ作り、リサイクル物の回収、回収したアルミ缶の再利用)
・第3学年 (地域の不法投棄の実態調査、不法投棄の解決、森林環境問題の解決、生活排水問題の解決、ホタルの捕獲、飼育、ホタルについての看板作成)
イ 環境科学センター(オオノラボ)の見学・質疑応答
産業廃棄物処理について学ぶ。
ウ 生徒会活動(ボランティア委員会)における取組
・ボランティア委員会による生徒集会
・生徒の家庭や地域からの資源ごみ回収
・清掃活動
エ 小学校や地域との連携
(4) 考察
環境保全のために身近にできることを自分で考え、実践的な活動を行うことができた。また、MTでの実践を発表したことにより、環境問題をより身近に感じ、自分たちの生活を見直すことができた。また、生徒集会での話合いにより、地域を巻き込んだ天ぷら油回収ができ、生徒一人ひとりのリサイクル活動への意識が高まった。
生徒は環境保全の意義を考えながら取り組むことができたが、今後どうやってそれらの取組を継続的に実践するか、また無理をせず、自然体で取り組むにはどのようにすればよいのか検討していく必要がある。自分たちで考え実践したことが、普段の生活に深く根付くようにすることが課題である。
(八幡浜市立双岩中学校の発表を聞いて)
・2年間の取組で、実態の把握から実践へとすばらしい取組がなされていた。小規模校で地域を巻き込んでいるところもすばらしいと思う。今後継続していくことが難しいのではないかと思う。どんな策があるのか?
・生徒がそれぞれ課題に取り組み、研究を進めたこと、またそれを発表する場があったことがすばらしいと思う。自分で考え、動かないと実にならないものでしょう。
・学校での取組が充実しており、生徒たちが主体的に行動している姿がわかりました。地球問題は大きいが、個人個人に考えさせ、行動につなげられていることがすばらしかったです。
・生徒の課題意識を適切に把握したうえで、関係機関を効果的に活用し、その課題意識を継続させながら解決していくすばらしい実践がなされていた。地域と一体となって、環境保全に取り組んでいる様子がよく分かった。
・普段の生徒の活動がより生活に密着した地道な活動であることに感心しました。小中連携や地域との連携へ広がっていくことに期待します。
・身近な環境について、一人一人が問題意識をもって取り組めていていいなと思った。
・「手渡し回収」という手法は回収率、意識交流の面からもいいなと思った。
・生徒の目線での取組がしっかりできており参考になった。
・ホタルを子どもたちだけで継続して育てているということだけでもすばらしい。保存会とか大人に協力を求めず自分たちだけで運営していることのほうが意味がある。
・多様な実践活動が報告されていて、生徒の意欲、成果を感じました。地域や関係諸機関との連携で生徒の意識を高められていたのがよかったです。
・各学年ごとにテーマを設定していて取り組んでいたが、身近なところから出発しているのでよかったと思う。家庭・地域を巻き込んでの実践であった。
・「自分たちのできること」という考えのもとに継続可能な取り組みがされており、とても参考になった。
・家庭や地域との関わりがたくさんあって参考になった。生活の中で実践することの大切さを感じた。
・小規模校ならではの小中や地域との連携を密にした取組がすばらしいと思いました。個人レベルでの思いを組織的な取組にしていくには思いや実践を生徒集会などでみんなと共有することが大切だと感じました。
・自分たちで環境について考えて、調査したりプレゼンテーションを作って発表したりと積極的に環境と関わろうとしているなと感じました。
・地域の実態に即して「無理をしないで無駄をなくす」取組が今後も継続されるとよいと思う。生徒が課題意識をもって、問題点を見つけて積極的に天ぷら油の回収に取り組むなど、実践が積み重ねられていてすばらしいと思う。
・地域の特性を生かした、非常に具体的な取組がなされており、参考になった。是非、本校の教育活動にも生かしていきたいと思う。
・中学生らしくすばらしいフットワークで地域と関わりながら進められていて感心しました。
・とても分かりやすい発表でした。
・生徒が主体的に活動している様子がよくわかりました。
・本校でもホタルの学習をしています。地域の自然を守る子に育てていきたいと思いました。