「環境問題に関心をもち、よりよい環境づくりに主体的に取り組む生徒の育成 −環境リテラシ−の育成をめざして−」
松山市立桑原中学校 
1 研究内容
(1) 重点目標
・自分と環境問題のかかわりについて興味・関心を育て、環境の仕組みや環境問題の理解を深める。
・環境保全や環境の創造に主体的に関わっていこうとする意欲や責任ある行動がとれる態度を育てる。
・省資源化など身近な生活の中で行えることを実践する。
(2) 具体的な研究の方向
 一人ひとりが気づき、あらため、共に生きる心を育む
(3) 実践内容
・環境教育の視点に関する指導内容を洗い出す。
・環境に関する学習内容を相互に関連付け、総合的な学習の時間を主体として指導する。
・持続可能な社会に向けた人づくりを目指す。
(4) 具体的な活動
ア 総合的な学習の時間
  1年生「ふるさと地域学習」−桑原地区をよりよくしよう−
  2年生「職場体験学習」−社会での環境に対する取組を調べよう−
  3年生「国際理解」−世界の人々の生活と環境について理解を深めよう−
イ チャレンジ・デーの設定
ウ その他の交流活動
(5) 考察
 環境に対する生徒の意識が昨年の9月から今年6月まででどのように変容したか調査した。今年の3月の調査では環境への関心が高まっていたが、6月の調査では関心があまりないと答えた生徒が増えていた。また、地域における環境意識は高まってきているが、自分から行動するまでには至っていない。今後も環境教育への継続指導が必要である。今後は、これまでの取組をさらに発展させ、環境保全への主体的な取組やボランティア活動への積極的な参加に力を入れていきたい。
 より良い環境づくりに主体的に取り組む生徒を育てるために、桑原学びの共同体構想(学校・地域・家庭の相互補完)の実現を目指し、その中に環境教育を位置付けたい。「地球は子どもたちからの預かりもの」という共通意識をもつことが大切である。
 
   
 
 
(松山市立桑原中学校の発表を聞いて)
・実行に移すことが大切なのだと改めて思いました。そして継続。私も頑張りたいです。
・教科等における全学年の指導内容を資料に付けてくださりありがとうございました。本校でも、これを参考にして年間計画を見直したいと思います。
・総合的な学習の時間をはじめ、全教育活動において計画的に推進されていることがたいへんよく分かりました。「ハーブ園」は興味があります。
・目標に向けて発達段階に応じた取組がなされており、感心させられた。一度高まりつつあった環境への関心がわずかに低下しているのが残念であり、継続的な環境教育が重要であることに気づかされた。
・各学年でのテーマに即して、CCTの考え方で環境教育に取り組み、文化祭の発表での共有化、そして行動、チャレンジデーの実施など工夫されていると思う。全体で年間計画を見直し、意識して取り組むことが大切だと思った。
・「地球は預かりもの」という言葉が心に残りました。環境教育を考えていくときに、まずは一番身近な地域のことから考えていかなければいけないと改めて思いました。
・全ての教科の中の環境教育の視点に関する指導内容を洗い出して教育活動の全てで取り組んでいるのがすばらしいと思いました。常に、環境問題に意識をもたせる上で、大切であると思いました。
・具体的な取り組みを行っているにもかかわらず、生徒の意識の変化があまり見られなかったのはなぜか。学校の取組として考えさせられた。
・学校独自で環境教育に関する指導内容を教科、道徳で作成しているのはすごいと思いました。
・「持続可能な社会に向けた人づくり」という大きなテーマで、身近なできるところから取り組んでいた。桑の葉カルタがとても興味深い。
・「持続可能な社会に向けた人づくり」という視点を大切にしたいと思いました。
・生徒がよく活動している。持続可能な社会という説明がほしかった。
・様々な学習活動に環境教育が取り入れられており、参考になった。
・総合的な学習において、学年ごとに地域→社会→世界へとだんだんと視野を広げていくように系統立ててあってよいと思った。
・活動を継続していくこと、常に意識づけて生活すること(生徒も教師も)が環境問題に対する意識を高めていくのにつながるのではないかと思う。
・生徒の意識調査では厳しい実態を正直に発表されていたことこそ、今後の実施へ期待します。系統的で幅広い実践に感心しました。
・環境問題を解決する取組に「継続」の大切さを感じる。そのためには系統的な指導が必要であろう。
・ハーブ作りについて、学校の取組を地域提供していることがすばらしいと感じた。
・生徒の意識調査のグラフが成果と課題を示していると思います。生徒が自分で見つけた問題や活動でないと関心が続かないということが言えますね。
・無理のない計画で、各学年の総合的な学習の時間に行えることを組み込んでいる。やや生徒自身による活動が見えてこないように思った。