講話(要旨) 「エネルギーと環境」
講師 四国電力株式会社 松山支店 広報課 政木 輝彦氏
 
○ 地球規模での環境問題
環境問題は、全人類に課せられた共通の課題です。人類の歴史が始まったときから環境との問題に直面しています。昔栄えた文明の遺跡が砂漠によくあります。なぜなら、人間が栄えると燃料としての木がたくさん必要になり、家や船を作るためにたくさんの木が必要になります。昔の木というのは、今の石油のようなもので、燃料にも資材にもなるものでした。木を伐採しすぎてしまうと、環境が変わってそこに住めなくなり、文明が滅びてしまうということが言われています。
歴史と共に、環境問題もいろいろと変わってきました。高度成長時代には、「水俣病」や「イタイイタイ病」、「四日市ぜんそく」などの公害問題が発生しました。このころの公害問題は、どちらが被害者か加害者か、因果関係がはっきりとしていますし、発生場所が、大体限られていました。汚染物質の排出を抑制することによって、比較的に短期間で解決することができました。しかし、今の地球環境問題は、人類全体が環境問題を引き起こしている、人間が活動すること自体が環境問題の原因になっていて、加害者と被害者を区別することが困難です。また、影響の範囲が地球全体に及んでいるので、解決が難しくなっています。問題解決のためには、ライフスタイルの転換など、世界全体で合意して対応しなければならないし、短期間ではなく、長期間にわたって解決のための対応をしなければならないでしょう。
地球規模での環境問題は、エネルギーの大量消費が原因の一つとなっています。人類がどのようにエネルギーを使ってきたかを見てみると、始めは火を使うだけだったのですが、中世になると、家畜と風車、水車などの自然エネルギーを使い始めました。18世紀になると、ワットが蒸気機関を発明して石炭を使うようになり、エネルギーを大量に使うようになりました。第二次世界大戦のころには、石油が使われ始めて、急速に使用量が増えました。世界の一次エネルギー消費量を見てみると、この40年間で約3倍になっています。内訳は、9割ほどが石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料です。化石燃料は燃やすことでエネルギーを取り出します。その結果、二酸化炭素、硫黄化合物などの気体を排出します。宇宙から夜の地球の様子の写真を撮ったものを見てみると、電気をたくさん使っているところが白く輝いています。一番白く輝いている北米、西ヨーロッパ、日本で、世界の人口の約20%の人々が、世界のエネルギーの60パーセントも使用しています。その一方で、今でも約16億人もの人は、電気のない生活をしています。
世界の人口予測では、2050年には、全人口が91億人、現在の1.5倍になると予測されています。人々が生活していくのには、エネルギーが必要なので、人口が増えるにしたがってエネルギーの使用量も増えます。世界の中では、先進国の人口はあまり増えませんが、アジア・アフリカ地域を中心とした発展途上国では、人口が爆発的に増加する予想です。一人あたりのGDPとエネルギー消費量の関係を見てみると、経済が発展するほどエネルギーの消費量が増える傾向にあります。逆に考えれば、エネルギーをたくさん使うことができた国が発展してきたともいえるかもしれません。石油など化石燃料からのCO2の排出量と大気中のCO2濃度の変化のグラフを見ると、どちらも産業革命後に伸び、特に第次世界大戦以後急速に増加しています。現在日本は、世界の二酸化炭素の排出量の内の4%を排出しています。多いところでは、アメリカが20%、中国が21%です。今後2050年ごろには、二酸化炭素排出量は現在の2倍ちかくになると予想されています。
このように社会の発展に伴って化石燃料を多く使うと、二酸化炭素や硫黄酸化物、窒素酸化物などが多く排出され、地球温暖化や酸性雨などの原因となってきます。また、フロンによるオゾン層の破壊や熱帯雨林の減少など環境への深刻な影響が出てきています。世界の毎年の平均気温を見てみると、この30年でかなり上昇しています。日本でも同じ傾向で、夏には猛暑日が増え、冬には冬日が減少しています。南極や北極の氷が解け、小さくなっている写真などもよく見られると思います。北極で温暖化が進むと、世界の海流がなくなってしまうと予想する学者もいます。北極で海水が冷やされ、氷ができることによって密度が上がり、重くなって沈みこんでいくのが、海流の源だというのです。海の水は熱を蓄える性質があり、海流によって寒いところに温かい水が運ばれ、暖かいところに冷たい水が運ばれて、地球が温暖に保たれている、でも、海流がなくなると寒いところはますます寒く、暑いところはますます暑くなるのではないか、という説もあります。ヒマラヤやヨーロッパアルプスなどの氷河も小さくなっています。南洋の小さな島々は、海抜が低く、海面上昇によって沈む可能性も指摘されています。また、気温上昇によって、伝染病が広がるとも言われています。たとえば、ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)は、ここ数年で生息域が北上しています。温暖化が進めば、日本でも熱帯に住んでいるマラリアやデ効果ング熱といった伝染病を媒介する蚊の生息域になる可能性があります。
農業への影響もあります。植物にとって、二酸化炭素が増えるのは、成長を促すというよい点もありますが、気候変動に伴って、品質の低下が起こるとも言われています。九州では、米の品質が下がったり、みかんの日焼けが起こったりしたと報告されています。愛媛県でも、みかんの皮が浮いてしまうということが起こっています。将来米の収穫量がどうなるか予想した図を見ると、50年後には、北日本では増加しますが、西日本ではやや減少傾向、約100年後には、中国・四国地方では、減少するところが多くなります。また、気温が3度上昇した場合、50年後には、みかんもりんごも現在の栽培地より北に移り、愛媛でもみかんは育てにくくなると言われています。こうなると困るので、二酸化炭素を減らそうという動きがあるのですが、農業や林業では、むしろ、温度の変化に合わせて育てるものを変えていこうという考えも起こっているようです。
酸性雨は、化石燃料の使用と密接に関係しています。先進国では、設備が整ってきて、原因となる窒素酸化物や硫黄酸化物が取り除かれるようになってきたので、排出量が徐々に減少してきています。しかし、発展途上国では、設備がまだ整わないのでなかなか改善しません。日本で減少しても外国から風に乗って運ばれてきた窒素酸化物や硫黄酸化物によって日本にもやはり酸性雨は降ります。大理石やコンクリート、銅像などが溶けたり、森の木が枯れるなどの被害が出ています。
砂漠があるところで更に砂漠が広がる傾向があります。放牧で動物が植物を食べつくしたり、薪などの燃料にするために伐採が進んでいるためです。また、熱帯雨林の焼畑農業により、森が減少しています。違法伐採や焼畑サイクルの短縮によるものです。また、野生生物の絶滅危惧種が増加していることも懸念されています。
 
○ 地球環境問題への取り組み
地球環境問題は、特定の地域、特定の要因で起こっているわけではなく、いろいろな要因が複雑に絡み合って起こっています。現在環境問題では、「3つのEのトリレンマ」ということが言われています。現在の環境問題は、エネルギーの消費あるいは供給や、経済成長と深くかかわっていて、経済成長(Economy)、資源・エネルギーの確保(Energy)、環境保全(Environment)、この3つのEが同時に成り立つ方法が見つからないという悩みを抱えています。
地球規模で起こっている問題に、国際的な取り組みが起こっています。1972年に国連人間環境会議が行われ、その後地球サミットで気候変動枠組条約などが結ばれ今日に至っています。
1997年に「気候変動枠組条約 第3回締約国会議(通称COP3)」が京都で開催されたとき、「京都議定書」が採択されました。温室効果ガスの排出量を2008年から2012年までの5年間平均で、1990年と比べて日本は6%、EUは8%減らすことがきまりましたが、経済に与える影響を嫌ってアメリカは途中で抜けましたし、もともと発展途上国は入っていませんでした。日本はオイルショック以降、省エネに取り組んできたので、更なる省エネというのはなかなか厳しいものがあります。一方EUは、旧東ヨーロッパ圏の遅れていた設備を改善することで、大体目標を達成することができると言われています。
京都議定書以降の条約を決めようとしていますが、なかなかきまりません。また、条約に加盟している国で二酸化炭素排出削減義務を負っているのは、全体のたった28%に過ぎないので、この国だけががんばっても他の国が出し放題なら全体での削減は難しいところです。他の国々も協力して減らしていく枠組みを作ろうとCOP15やCOP16などが開催されましたが、なかなか合意されていません。日本は、その後、2020年の排出量を1990年比で25%削減すると宣言しました。削減目標を達成するために追加的に二酸化炭素1トンを削減するのに必要なコストは、今までかなりの省エネやいろいろな設備投資などをしてきた日本では476ドルもかかりますが、アメリカでは76ドル、EUでは135ドル、中国ではわずかな金額で達成できると試算されています。
環境省が出した試算によると、CO2を25%減らすために、日々の暮らしの中では、これから新築する家はすべて高断熱住宅にし、エコキュートのような高効率給湯器を5世帯のうち4世帯につける、太陽光発電は5世帯のうち1世帯に、ハイブリッドカーや電気自動車などは、新車販売のうち74%にするなどのことが必要とされています。また、エネルギー供給の面では、太陽光発電は現在の85倍に、風力発電は10倍に、中小水力発電は15倍に増やさなければならないとされています。原子力発電についても64基に増やす必要があるのですが、これは難しくなっています。これらのための追加の投資額は最大百兆円ぐらいかかると言われています。
各家庭の負担を考えると、高断熱住宅にするために100万円、高効率給湯器では、ヒートポンプですと50万円、燃料電池ですと100万円、住宅太陽光発電では、230万円、次世代自動車購入に40万円〜400万円ほどかかるというイメージです。
CO225%削減による経済的な影響については、環境と経済の両立が理想ですが、日本だけでこれを行った場合、実質可処分所得が4.5〜15.9%減少し、マイナスの影響が出ると経済産業省では試算しています。
実際のCO2排出量をみると、2008年度は、基準年比+1.6%に収まり、森林吸収源対策や京都メカニズムによる削減を勘案すると前年比−1.9%になっています。2009年度は、森林吸収源対策や京都メカニズムによる削減を除いても基準年比−4.1%、これらを含めると−7.8%にもなり、現実不可能かと思われたCO26%削減が実際にはできたということになります。しかしこれは、2008年におきたリーマンショックが原因で、経済全体が縮小した結果起こったといえます。あまり歓迎すべきことではありません。2010年はほぼ変わらないでしょうが、2011年に大きな災害に見舞われました。 原子力発電所が停止し、代わりに火力発電所を稼動させています。100万kWぐらいの原子力発電所1基で、石油を使った発電を代替すると日本全体のCO2排出量を約0.5%削減する効果があります。逆に原子力発電を火力発電で補うとなると、CO2排出量は増えていきます。また、災害の影響で経済が後退すれば、そんなに増えないかもしれません。まだ、予測がつかないところです。
次は、発電の低炭素化についてです。日本のCO2排出量の約3割を火力発電所で出していますので、発電の低炭素化を考えることは大きな意味があります。電源別に見ると、一番CO2排出量が多いのは石炭火力で、LNGでは、石炭よりは少なくなり、3分の2ほどになります。太陽光、風力、原子力発電などは、CO2を排出しません。地震以降LNGを使おうと言われていますが、石炭をLNGに置き換えるとCO2が減りますが、原子力をLNGに置き換えたのでは、CO2はかえって増えることになってしまいます。主要国の電源別発電電力量を見てみると、日本は石炭・天然ガス・原子力がそれぞれ25%ずつほどで、バランスがとれた構成になっています。どれか一つがだめになっても他で補えるようにしているのです。それに対し、中国やインドは石炭が多く、フランスは原子力が8割ほどを占めています。このように国の考え方が電源の割合に出ています。
日本の発電電力量の25%ほどを占めている原子力発電の現状ですが、13か月に1度定期点検をすることが決まっています。日本の電力需要のピークは夏なので、春と秋に行われることが多いです。現在は、震災の影響で定期点検が終わっても再起動できない等の理由で54基の内の38基が停止しています。約25%の電力供給量の7割が使えない状況です。今動いている発電所も、いずれ点検に入り、点検が終わってもいつ動かせるか分かりません。伊方発電所では、現在3号基が止まっていて、9月には、1号基が定期点検に入ります。来年の1月に2号基が定期点検に入ると、すべてが止まります。四国の電力の4割を供給していたので、早く国の方から対策を出してもらわないと、厳しい状態になると思われます。
ヨーロッパの場合、陸続きですから電力の輸出入が可能です。ドイツでは、脱原子力発電を宣言しましたが、足りない電力を、8割を原子力発電で供給している隣国のフランスから買うことができます。ガスのパイプライン網も広がっていて、エネルギーに関して、ヨーロッパは地域全体で考えることができます。日本の場合、周りは海がありますし、近くの国々との関係の面でも難しいものがあります。
四国電力の坂出発電所では、CO2排出を減らそうと、燃料を重油や石炭からLNGに転換しています。
また、発電所等からの排気中のCO2を集めて地下に貯蔵しようという試みも行われています。しかし、二酸化炭素を圧縮するのに発電した電気エネルギーの30%ほども使わなくてはならないなど、まだ研究開発段階の技術です。
新エネルギー、太陽光発電や風力発電は、原料が枯渇する心配のないクリーンなエネルギーですが、天気によって発電できないというデメリットもあります。太陽光発電は、夜間は発電できませんし、発電コストが49円/kWhで、とても高いです。伊方原子力発電所は1〜3号基で、約200万kWhほど出力がありますが、それに代替しようとすると、太陽光発電では、八幡浜市ほどの面積に太陽電池パネルを並べる必要があります。風力発電では、風車を7〜8千本建てる必要があります。松山市ほどの面積が必要で、しかもいい風の吹くところに建てる必要があります。これを中心に発電を進めていくのは、少し難しいところがあります。勝岡にメガソーラー、松山太陽光発電所が建てられました。メガソーラーとは言いますが、火力発電所等と比較すると、出力はまだまだは小さいものです。また、天気によって出力が変動します。晴天の時はいいのですが、曇ったとき、雨が降ったときには、発電できません。出力が安定しないので、それを補うための別の発電所を待機させておかないといけません。松山太陽光発電所で使っている太陽電池パネルは、1枚あたり最大出力が193Wです。ある日の例ですが、晴天のとき、126W発電している場合でも、少し人の影がかかると20Wほどに下がってしまいます。一部が完全に影になると、6Wにまで下がってしまいます。日本のすべての住宅の屋根に太陽光電池パネルをつけようという話もありますが、ビルの影になった家や、屋根が東西・北向きの家では発電は難しく、雪が積もるところではさらに難しい問題です。
風力発電は、四国全体で102基、その内佐田岬に58基あります。風のいいところに建てていますが、発電は文字通り風任せです。
木質バイオマス発電については、材料となる木材が安定的に供給できないという難点があります。また、小水力発電は、ダムを作らなくても川が流れているところに水車をつけるもので、あまり大きなものはつけられませんが、その代わり天候にも左右されず、安定的につかえます。しかし水利権の問題を解決しなくてはいけません。地熱発電は、場所が温泉地や国立公園内にあることが多く、資源はあっても利用はしにくいです。波力発電、潮汐発電などもありますが、研究段階です。
いろいろな技術を用いて、これら再生可能エネルギー等のいろいろな発電方式が大量に導入できるような電力ネットワークを構築し、省エネや効率化につなげていこうという考え方がスマートグリッドで、これから導入が求められています。
工場での省エネルギー化のために、省エネ法が作られました。原油換算で1500kw以上使っている事業者は、毎年どのぐらいエネルギーを使っているか調べ、エネルギー管理を統括する人員を置き、中長期的に見て年平均1%以上のエネルギー消費を減らしましょうということが義務づけられています。平成20年に改正されて、一つ一つの事業所単位で対象となるのでなく、事業者単位で対象になりました。つまり、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどのチェーン店も、一つ一つは小さいけれど集まれば大きいということで省エネ法の対象になります。同様に、自治体も、本庁ビルだけでなく、小中学校や公民館、街灯なども含まれるので対象になります。近年のエネルギーの使われ方では、産業分野より、民生・運輸分野での伸びが大きくなってきたためです。年平均1%の削減は初めは節約で達成できても、だんだん節約だけでは済まなくなり、新しいものに設備を替えるなどのことも必要になってきます。
機器の効率化でも、トップランナー基準が設けられ、自動車の燃費やエアコン、冷蔵庫などの電気機器の新しい製品の省エネルギー基準を現在商品化されている製品のうち、最も優れている機器の性能以上にするように決められています。エアコンや冷蔵庫では、同じ大きさでも10年前より50%省エネになっています。テレビでは、3分の1ほどになっています。
産業分野より、民生・運輸分野での伸びが大きいです。技術革新によって機器のエネルギー使用量は減っているのに、なぜ一世帯あたりの電力使用量は増加しているのでしょう。家庭での二酸化炭素排出量を見ると、電気からが42%ほど、ガソリンからが30%ほどになっています。それぞれの機器の省エネルギー化が進んでいるのですが、各家庭での家電製品の数が増えているので、結果的に電力使用量が増えているのです。各部屋にエアコンが付いていたり、テレビの台数が多くなったり、冷蔵庫も大きくなったりしたためです。
子どもたちにエネルギーの話をするとき、電気機器やガスのような目に見えるエネルギーだけではなく、間接的なエネルギーについても話すことがあります。間接エネルギーとは、いろいろなものを生産したり、運んだりするときに使っているエネルギーです。たとえば、米を育てて、収穫し、出荷するのに米1sあたり0.35リットルの原油を使っている計算です。洋服だと、1着あたり7リットルです。そして、作って消費した後、廃棄するところまでを考えると、家庭などで電気やガスのような直接目に見えるエネルギーと同等か、より多いと言われています。
野菜の栽培にかかるエネルギーを露地栽培とハウス栽培で比べてみると、キュウリでは、8.1倍、トマトでは、9.7倍もハウス栽培にエネルギーを使います。1kgのキュウリを作るために、露地栽培で旬の時期に生産すると、投入エネルギー量は、996kcalですが、ハウス栽培では、5054kcalもかかり、そのほとんどが光熱費です。国内で栽培するだけでなく、海外から食糧を輸入しているので、その輸送費だけでも大量にエネルギーを消費していることになります。そういうことに、どれぐらい二酸化炭素がかかっているのかを目に見える形にしようということで、「カーボンフットプリント」という制度が試行されています。その製品の原料の調達から廃棄までにどれだけの二酸化炭素が排出されるかを、食品表示などと同様に義務付けようという動きが出てきています。フランスやイギリスでは、製品などの残した二酸化炭素の足跡ということで、マークも足跡型のものになっています。日本では、まだ試験段階ですが、日本ハムやイオン、日本食研などが参加しています。
 
○ 終わりに 
エネルギー資源のこれからの可採年数は、石油42年、天然ガス60年、石炭122年、ウラン100年と言われています。いつかはなくなるこれらの資源以外に、メタンハイドレードやオイルサンド、オイルシェールといった今まで使いにくかったものを使ったり、バイオマスエネルギーなど、カーボンニュートラルなエネルギーの利用が期待されています。
すると環境が悪くなる。環境保全に力をいれると、エネルギーは消費しないが、経済発展が抑えられるというように、「3つのEのトリレンマ」のどのあたりで折り合いを付けるか難しいところで結論を簡単に出すことができないのですが、今回の講演はこれで終わりにします。ご清聴ありがとうございました。
 
 
参加者の感想(講話を聞いて)
・地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化の進展、熱帯雨林の減少、野生生物の減少 など、地球規模での環境問題はさまざまなつながりの中で引き起こっていることが分かっ た。地球環境問題の解決に向けて、今自分たちでできることをしようという気持ちになっ た。
・地球温暖化による様々な影響がよく分かった。未来の地球を守るために、子どもたちとで きることから取り組んでいきたいと思う。
・様々な発電方法や最新の技術などを知り、また、子どもたちともいろいろと調べていきた いと思った。
・エネルギーと人類の歴史から最新のエネルギー事情まで、多くの資料を根拠に講話いただ き、より環境問題やエネルギー問題について関心を高めることができた。
・地球規模で起こっている環境問題について改めて認識できた。今後もいろいろと注目され る分野なので子どもたちにも継続して指導していきたい。
・現在のエネルギーの状況について知ることができた。トリレンマという言葉が心に残った。 経済・エネルギー・環境保全のバランスをどう取っていくかを考えていかなければならな いと思った。自分にできることを一生懸命取り組んでいる子どもたちの努力が無駄になら ないようにしたい。
・生活の中の様々な場面でエネルギーが使われていること、またそのエネルギーの使用を押 さえるために様々な法律があることが分かった。
・たくさんの資料をもとに専門的にエネルギーについて講話していただき、知識として知ら なかったことがはっきりしたことが多かった。原子力発電の代わりとなる発電が難しく、 これからの電力が不安である。
・温暖化による地球規模の環境変化の様子がよく分かった。農作物、氷河、海面上昇などの 変化が具体的に理解できた。100年、200年後の地球環境下で人間や動物がどう生き ていくか心配である。先進国は、電気がなくては生活ができなくなっている。福島の原発 事故後、安定した電力の供給ができなくなるのではと問題視されている。今こそ、電力会 社が将来の安全な日本のために、目先の利益を追わず、知恵を出して考えてほしい。
・日本の現状についての分析と、予測についての解説だったのでとても興味深く聞けた。複 雑で大変な局面に立っていると感じた。
・エネルギーと環境問題とは、身近なところにあると改めて感じた。これからの時代を生き る子どもたちをどう育てていけばよいのか考えなければならないと感じた。
・環境を守ることの大切さは頭では分かっているものの、実際には毎日の生活を優先させて しまっている自分に行き当たった。よりよい環境づくりのために、身近なことから少しず つ取り組んでいきたい。また、刻々と深刻化している環境問題について知らないことの怖 さを感じた。今だけでなく未来を見つめながら環境教育について考え、実践していくこと の大切さを改めて感じた。
・今の地球の人類の抱えている問題の深刻さがよく分かった。原発に代わるエネルギー源と しての太陽光発電にもいろいろな問題があるのだと分かった。
・国や世界規模でのエネルギー問題や環境問題についての話が聞けて参考となった。
・エネルギー問題は一朝一夕に解決できるものではないことがよく分かった。しかし、だか らといって何もしないでおいては地球の環境は守れない。一人一人がエネルギー消費を減 らし、できるものから新エネルギーへと転換していかなければならないと感じた。
・エネルギーをつくることの大変さを痛切に感じた。明るい未来をつくることができるのか 不安になった。とりあえず自分でできる節約を続けていこうと思う。
・数値やグラフにより、環境の変化がはっきりと分かった。国としての取組も必要だが、個 人でできることもたくさんあると思った。
・今の生活でエネルギー消費量を削減することは難しいと分かった。それだけに一人一人の 地道な活動が効果を上げるのだと思った。
・地球規模での環境問題が、非常に深刻な状況になっていることを、具体的にグラフや写真 で説明していただいたので、よく分かった。一人一人が意識して生活を変えるしかないの かなと思う。
・内容は難しいものであったが、それを図などを示して分かりやすく教えていただいた。
・とても分かりやすかった。食糧自給率以上に、エネルギー自給率の深刻さについて子ども も理解を深めるべきだと思う。
・分かりやすくてよかった。知識を高めることができた。授業の資料としても使えるものも あった。
・今のエネルギーの現状がよく分かった。原子力発電については、教育現場ではどのように 子どもたちに話せばいいのか悩む。
・エネルギーについて知らなかったことも多くあったのでとても勉強になった。エネルギー と環境とは密接な関係であり、環境問題解決には、経済・国際的に考えなければならない と思った。
・eco社会に向けての私たちの取組は、人間の文明社会全体の一部もしくは家庭の取組かも しれないが、一人一人の意識によって支えられていくものであることが分かった。
・エネルギーの生産コストを考えると何もできないように思う。家庭内では、エアコンとテ レビの使い方か。
・CO2の削減、省エネにとてもお金がかかると聞いて驚いた。環境を守ること、よくする ことは大変なんだなと思った。
・環境を守っていくために、いろいろな研究がされていることがよく分かった。自分のこと として考えていかなくてはならない。
・エネルギーと環境について資料をたくさん提供してくださって、難しいことだが大切なこ とを教えてくださったことに感謝する。世界レベルで、すごいスピードで変わっていく環 境について新しい情報を、我々はどんどん入手し理解していかなければいけないと思う。 小・中学校の教育に関係あることがもう少しあればよかった。
・これからの生活はどうなるのだろうと不安になってしまった。
・とても分かりやすい資料を準備してあり、それに基づく話だったので、エネルギーと環境 についての危機感をもった。
・普段なかなか聞くことのない、エネルギーの様々なお話を聞かせていただき、大変興味深 かった。
・日本のエネルギー事情がよく分かった。
・幅広く教えていただいた。もう少しピンポイントで詳しく教えていただくのもいい。
・まだまだ知らないことばかりだったので大変勉強になった。
・新しいエネルギーについてや今の現状、取組をとても分かりやすく説明してくださって理 解することができた。
・見やすく分かりやすい資料を用いてくださり勉強になった。
・広い知識を与えていただいてありがたかった。
・多方面にわたる多くの資料を提示いただき勉強になった。
・話のあらましはよく理解できたが、「環境教育」の視点として子どもの立場からどうして いくかを考えさせるものにしてほしい。内容が多すぎたような感がある。
・結局原子力発電の必要性を訴えているように思えた。講演としては問題があるのでは。