(小・中学校共通)
環 境 教 育
T 研究主題
環境問題に関心をもち、よりよい環境づくりに主体的に取り組む児童生徒の育成
U 研究のねらい
環境教育のねらいは、環境問題に関心をもち、環境に対する人間の責任と役割を理解し、持続可能な社会づくりに参画できる態度を育てることにある。そのためには、児童生徒の発達段階に応じて、自然体験や生活体験などの活動を重視するとともに、各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動等の関連や家庭、地域社会との連携を図った学習にしていくことが大切である。
1 学校の特色を生かした全体計画及び指導計画の作成と改善
2 積極的に環境教育を推進するための研修の充実
3 環境や環境問題に関心をもち、自分との関わりについて理解を深めるための教材の開発
4 環境保全に主体的に取り組むための学習指導の改善及び評価の研究
5 地球規模で環境問題を考え、理解を深めていくための学習指導の工夫
6 学校・家庭・地域社会の連携による環境教育の推進
V 留意事項
1 学校の特色を生かした全体計画及び指導計画の作成と改善
全体計画作成に当たっては、個々の学校の立地条件を考慮することが重要であって、都市型・農村型・山村型・漁村型等、その地域独特の多様な環境条件が全体計画に深く関連付けられているような配慮が必要である。そして、全ての教育活動を通して行う環境教育の年間指導計画を作成するに当たっては、各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動等の年間指導計画と関連を図るだけでなく、各教科等の特質を生かしながら、なお全体としてテーマに関連した単元構成をしておくことも大切である。
2 積極的に環境教育を推進するための研修の充実
積極的に環境教育を行っていくためには、優れた指導者が必要である。指導者には、環境教育に取り組む明確な視点とともに、児童生徒に対する具体的な指導を展開する力量が求められる。そのためにも、研究機関及び関係諸団体等の事実に基づいた情報や資料を分析したり、専門家や環境教育コーディネーターの積極的な協力を得たりしながら、教材化や活用方法等について研修を深めることが大切である。
3 環境や環境問題に関心をもち、自分との関わりについて理解を深めるための教材開発
環境教育の根底にあるものは「自然と人間の共生」である。将来に生きる児童生徒には、自然の仕組みや役割についての理解と、人間も地球に生きる一員であるとの認識を深め、持続可能な社会づくりに努めようとする態度を育成していくことが必要である。
そのためには、自然体験や生活体験を通じて身近な環境やエネルギー・環境問題に関心をもたせ、自分との関わりについて理解を図っていくことが大切である。いつ、どこで、どのような体験ができるか、それが児童生徒の生活とどう関わっているか、家庭や地域社会との連携は可能かなど、教師自身が地域素材の教材化について一層研究しておかなければならない。
4 環境保全に主体的に取り組むための学習指導の改善及び評価の研究
身近な環境問題に気付かせるとともに、自分たちの日常生活とどのように関係しているのかを客観的に判断させ、それらの問題解決にどのような方法によって迫っていくかということが重要である。また、児童生徒が、環境問題を個別の問題としてではなく、自然環境はもとより、社会環境、生活環境も含めた総合的なものとして捉えることができるようにしなければならない。そのためには、総合的な学習の時間等を活用し、様々な体験を通して、環境に対する豊かな感受性を身に付けさせ、環境の保全に寄与する態度を養うとともに評価についての研究を進めていく必要がある。
5 地球規模で環境問題を考え、理解を深めていくための学習指導の工夫
児童生徒の発達段階に応じて、身近な自然環境や生活環境から地球規模の環境までを対象に、環境や環境問題について調べる学習等、問題解決的な学習を一層重視していく必要がある。この場合、何を・いつ・どのように指導するかという点において、各教科等及び各学年相互間の関連(小中学校間の連携も含む)を図り、系統的・発展的な指導ができるように留意しなければならない。
6 学校・家庭・地域社会の連携による環境教育の推進
環境教育において、児童生徒が、家庭や地域社会で経験し、学んだことを学習や学校生活に生かし、また学校で学んだことを家庭や地域社会の生活に生かすことが大切である。学校と家庭や地域社会との連携を保ち、児童生徒一人一人の環境への対応力を育成するために相互補完の関係を図ることが大切である。